眼瞼痙攣(がんけいけいれん)とは、瞼を閉じる筋肉(眼輪筋)という筋肉が、自分の意思とは無関係に痙攣する病気です。症状は、まばたきが増えたり、まぶしさを感じたりすることから始まり、症状が重くなるとまぶたが開かなくなって、目が見えない状態にまで進んでしまうこともあります。まぶしい光やストレスにより症状は悪化します。通常は両眼性ですが、片眼性の場合もあり、唇にも異常を感じるケースもあります。片眼性で徐々に悪化する場合は、顔の表情筋を動かす顔面神経が痙攣している可能性が考えられます。
眼瞼痙攣の原因とは
眼瞼痙攣は原因によって以下の3つに分けられます。
- 本態性眼瞼痙攣(原因不明)
- 症候性眼瞼痙攣(パーキンソン病などによる)
- 薬剤性眼瞼痙攣(抗うつ薬などの内服薬による)
眼瞼痙攣は、放っておいて自然に治る病気ではありません。症状が進行すると、けいれんの回数が増し、まぶたが開かなくなったり目が見えなくなることもあります。
よく間違われる疾患
眼瞼けいれんと似ている症状を示す病気はいくつかあります。何に当てはまるか分からない場合はお気軽にご相談ください。
- 片側顔面けいれん
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片側の顔の筋肉がピクピクと痙攣したり、引きつったりするという症状がみられます。脳の深部で顔面神経に血管が接触して圧迫することが原因で起こります。
- 眼瞼ミオキミア
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疲れや睡眠不足などがきっかけで、左右片側の上または下まぶたの筋肉の表面がピクピクしますが、やがて症状は消えます。
- ドライアイ
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まぶしい、目が乾くなどの自覚症状が眼瞼けいれんと一見似ています。しかし眼瞼けいれんはドライアイの治療では治りません。
- 開瞼失行症
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いったん閉じたまぶたを開くのが困難になる症状がみられます。眼瞼けいれんと合併することが多い病気です。
これらの病気は、それぞれ治療方法が異なります。顔の運動異常の症状が現れたら、自分で判断せずに、まずは眼科や神経内科、脳神経外科など専門医を受診しましょう。