近視は、近い距離にあるものはよく見えますが、遠くのものはピントが合わず遠い距離のものが見えにくい状態のことを言います。遺伝や環境による影響などによって10~15歳くらいから始まる単純近視が一般的にはよく知られています。他に、失明原因になる病的近視もあり、矯正視力低下といった視機能障害を伴います。
近視
近視
近視は、近い距離にあるものはよく見えますが、遠くのものはピントが合わず遠い距離のものが見えにくい状態のことを言います。遺伝や環境による影響などによって10~15歳くらいから始まる単純近視が一般的にはよく知られています。他に、失明原因になる病的近視もあり、矯正視力低下といった視機能障害を伴います。
近視の原因は遺伝的な要素と環境が関係すると考えられています。
親が近視の場合は、子どもが近視になる可能性は比較的高いと、遺伝的な要素が複雑に絡んでいると考えられます。
一般的な近視の場合は、環境も影響すると考えられています。勉強や読書、パソコンなどディスプレイを見る作業を長く続けていると、目が疲れ好ましくありません。しかし、こういったことが近視の原因になるかどうか、はっきりした証明はありません。
近視は単純近視と病的近視に大きく分けられます。
遺伝や環境の影響などにより、小学校高学年~中学校くらいで始まる近視を単純近視といいます。病気というよりは、身長や体重と同じ個人差によるものです。在学中に発生することが多いので学校近視ともいわれ、大部分の近視は単純近視です。
ごく一部の近視は、幼児期の段階から始まり進行します。眼軸が異常に長く、近視の度が強いため、メガネをかけてもあまりよく見えるようにはなりません。また、眼球がかなり大きくなっているため、網膜が引き伸ばされて非常に薄くなっています。そのため、目をちょっと打っただけで、網膜の中心部がひび割れや出血によって萎縮したり、網膜が眼底から剥がれてきたりといった「網膜剥離(もうまくはくり)」などの症状を起こします。このような近視は病的近視と呼ばれ、発生する原因がまだわかっていません。遺伝が関与しているともいわれており、矯正しても幼児が、遠くも近くも見にくくしているようであれば注意が必要です。
水晶体の厚みを調節していない状態で、ピントが網膜の後ろで合ってしまう状態です。遠くは少しだけ調整すると比較的楽に見ることができますが、近くを見る際には強く調節しなければはっきりとは見えません。遠距離と近距離の両方で調節が必要であり、特に近距離では強い調節を要するため、疲れ目になりやすいとされています。
屈折点によって屈折力が違っているため、焦点が結ばない状態です。角膜のひずみなどが原因で起こる正乱視と、ケガや炎症によって角膜表面に凹凸ができて生じる不正乱視があります。正乱視は、方向などによって異なる角膜や水晶体のカーブにより、縦横・斜めで屈折力が変わり、焦点をうまく結ぶことができず、一定の方向に伸びる線だけが明確で他の方向に伸びる線はぼやけます。ほとんどの正乱視は近視や遠視を伴います。
屈折異常は仕事や学業などの日常生活にさまざまな支障を生じ、大きく関わってきます。そのため、適切な眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が必要です。近年、パソコンやスマートフォンの普及により、眼を酷使して視力を低下させてしまうケースが増えています。
また、合わない眼鏡を装用するなどによって視力が落ちてしまうこともあります。当院では、正確に眼の検査をしてそのデータをもとに、きちんと合った眼鏡を処方しています。また、目の疲れを解消させる生活習慣や環境の改善も視力の維持には大切です。
視力が発達途中である子どもの場合、よく見えていないと神経回路が発達できず、8歳を超えてしまうと矯正も難しくなってしまいます。片目だけの斜視や弱視というケースもありますので、少しでも違和感や、視力に不安がありましたらできるだけ早くご相談ください。適切な治療をいかに早く開始できるかが、その後の視力に大きく関わってきます。